新型コロナウイルス感染症のための自粛生活が続いています。世界情勢に目を向けても、これほどまで日常生活に影響すると思った方は少ないのではないでしょうか。
仕事や生活が一変してしまった方もいるかと思います。そして、これからどうしたものか、途方に暮れてしまっている方もいるかもしれません。新型コロナ対策や今後の生活を考えたとき、何が正解なのか分からないなかで、手探りをしている状態にある方も多いと思います。正解が分からないということはとても不安になることでもあります。
これからのあり方について考えると、まよいながら、ゆれながらという言葉が頭をよぎります。
これは、中川ちえさんが文章を書き、馬場わかなさんが写真を撮った安齋農園のフォトエッセイのタイトルでもあります。
2013年6月に発売され、何かで紹介文を読み、写真が素敵だったこともあり、ずいぶん前に購入しました。これまで、写真をめくることはあっても、文章は何となく読まずに置いておいた本でもあります。今のタイミングかなと思い、久しぶりに本棚から取り出して読んでみました。
3.11で生活が一変してしまった安齋農園一家のうち、福島に残る家族、新しい土地に移る家族、それぞれの選択をしながら、精いっぱい、未来に繋いでいく様子が綴られています。
日々の生活をどう未来へ繋げていくかということが、ひいてはこれからどう生きていくかということにつながっていくのだなと感じました。
そこには正解がありません。
福島の問題自体もそうですが、福島の土地に残る方がいいのか、新しい土地に移る方がいいのか、正解はありません。自分にとって、どちらが良いのか、どうしたいかを基準に決めることだと思います。それがひいては、自分がどう生きたいかにつながっていくことでもあるのだなと感じました。
今回の新型コロナも同じだと思います。コロナ対策自体もそうですが、アフターコロナ(ウィズコロナ?!)についても、様々な意見を目にしますが、総じて、今までと同じ生活を送ることは難しいだろうということです。
当たり前と思っていた今までの生活を見直す必要があるということは、チャンスでもあります。
自分がどうしたいか、どうありたいか考えて、主体的に「選ぶ」ことができるととらえてみると、少し前向きになれそうです。
誰かの言う通りに従うのではなく、正解は分からなくとも自分で考えて、自分で行動を決められるというのは、とても素晴らしいことではないでしょうか。もちろん、その責任も自分で引き受けなければなりませんが、生きていく手ごたえでもあるように感じられます。