先日、もりのくにの待合室を少し模様替えしました。
今、入り口では、ハンドジェルとともに、版画家の大野隆司(おおのたかし)さんの絵がお出迎えしてくれます。
大野隆司さんの作品は、開院したらオーダーしたいとずっと思っていましたが、なかなか一歩踏み出せずにいました。
群馬県にあるギャラリーミューズさんのホームページでも作品を購入することができますが、やはり、こちらも何となく踏み出せずにいました。
今回、新型コロナの影響で少し気持ちが滅入ってしまったときに、改めてホームページを見て、これだ!と思った絵を購入しました。
大野隆司さんを知ったのは、ずいぶん前に谷中をお散歩していたら、古本屋の店先に「死にたくなったらふる本屋へおいで 生きてなよあんた」というメッセージが書いてある絵を見たことがきっかけです。
なんだか酔っ払いの気のいい姐さんに絡まれているような気分にもなりますが、思いつめていた気持ちがほどけるような力強いメッセージだなと感じました。
その後、ネットで調べて、鎌倉の古本屋さんにもこの絵が貼ってあることや、通販生活(雑誌)のイラストを描いていること、長期休暇が終わり、学校が始まる頃、未成年の自殺が増えることを受けて、「死にたくなったら図書館においで 死ぬの今じゃないでしょ」というメッセージが書かれた作品があることを知りました。
「命の持ち出し禁止」という素敵な詩も書いてます。
「どうして死んだらいけないの?」という素朴な問いかけに対して、うまく答えることができないと感じることもありますが、この詩はとても説得力があるように感じます。
これまで「新型コロナ対策」という大義名分で、様々なプレッシャーから解放されていた方は、6月から、元通りの生活の再開に向けて思いつめてしまうこともあるかもしれません。そういった方にこのメッセージが届くことを願います。
また、新型コロナの影響で、生活や心身ともに追い詰められてしまっている人にも、ぜひ届いてほしいメッセージです。
もりのくにも感染症対策にしっかり取り組みつつ、強く生きていけるお手伝いができたらいいなと思っています。
追記:大野隆司さんが、今回の新型コロナを受けて、作品を制作されたようです。YouTubeで見ることができるので、興味ある方はどうぞ。