まずは自己紹介がてら、鍼灸師になるまでの鍼灸とのかかわりを振り返ってみたいと思います。
一番最初の鍼灸の記憶は、子どものころ、近所の視覚障碍の方が鍼灸院をやっていた、という記憶です。実際に治療に通ったことはありませんでしたが、看板が印象に残っているという感じです。
次に鍼灸と接近したのは、学生の頃になります。心理の恩師が鍼灸師の資格も持っていて、東洋医学のすばらしさをよく口にしていたのですが、当時、からだよりもこころの仕組みのへの関心の方が強かったこともあり、何となくスルーしていた感じでした。
最初に鍼灸治療を受けたのは20代の頃でした。腰痛がひどく、合う先生に当たると鍼灸で腰痛が劇的に改善するという知人の話を聞き、当時住んでいた荒川区の近所にあった鍼灸院に行きました。その時の印象は、とにかく治療院が寒かったという記憶しかありません。劇的に効いたという実感もありませんでしたが、痛みや悪い印象もなく、ただただ寒かったという感じでした。
その後、鍼灸学校の若手の先生方と関わるご縁があったのですが、あまり身近に感じることもなく、「鍼灸って面白そうだけど大変そうだな」という印象でした。
「今後の人生、鍼灸とかかわることはないだろう」という考えが浮かぶこともないほど、しばらくは鍼灸とはかけ離れた生活をしていました。あるとき、「ブレインジム」というからだを通してこころや思考へアプローチする方法を学ぶ機会があり、そこで経穴(ツボ)を使ったアプローチの仕方を知ったことをきっかけに、東洋医学への関心が高まりました。
当時、数年間、周期的にお盆~立春まで不定愁訴的な体調不良に数年悩まされていたこともあり、再び鍼灸治療を受けたことが大きなターニングポイントになりました。
以前とは違う治療院で治療を受け、「劇的に症状が改善!」という感じではなかったのですが、「鍼灸って効くんだ」という実感と、からだに意識を向けることで見えてくる、こころのあり方に気づきがありました。
その鍼灸師の方が以前、鍼灸学校の先生をしていたこともあり、東洋医学の良さや以前教鞭をとっていた学校を勧めてくれたこともあり、鍼灸学校の門戸をたたくことになりました。
そこからは…
トライアスロンのような日々でした。
働きながら夜間学校に通ったこともあり、1年生の後期試験のときには、体調の悪さもあり、これが最後の試験になるかもしれないから、悔いのないよう頑張ろうと思って臨みました。何とか無事通り抜けることができると、もう少し学びたいという気持ちで2年生に進み、卒業できるのか?国試受かるのか?というプレッシャーに追われ続け、追いつかれないよう、走り続ける日々だったような気がします。
それでも、充実した濃厚な3年間だったことは確かで、先生やクラスメイトなど人に恵まれたこともあり、物事は一人の力だけではなし得ないものだという学びもあった気がします。
2月の第4日曜日がはり師・きゅう師の国家試験なので、学生さんは、今、一番プレッシャーの強い時期だと思います。プレッシャーに負けず、ぜひ乗り越えて頂きたいと思います。
資格をとるまでの道のりを振り返ると、人とのご縁が今へと導いてくれたのだなと感じます。
今後、もりのくにはどんなご縁でどこへと導かれていくのでしょうか…
まだまだ旅の途中でもあります。