治療で使う道具を紹介していきたいと思います。
もりのくにでは、知熱灸というお灸を多く使います。
知熱灸は指先くらいの大きさに丸めたもぐさに火をつけ、温かさを感じたら取る、というお灸です。
はじめはお灸の大きさにびっくりする方もいるかもしれませんが、燃やし切らないのでお灸の跡も残らず、感じる刺激も比較的マイルドです。
ただ、温かくて気持ちいいなと油断していると急に熱さを感じることもあるのでご注意を。
人によっては温かさを感じない方もいます。そういった場合、火傷しないようにある程度のところでお灸を取りますが、お灸をした場所を触ってみると温かくなっていたり、コリが解消されているので、十分効果はあります。また、お灸をしているときは温かさを感じなくても、後からぽかぽかしてくることもあります。
お灸の効果は、単純に温めるという効果もありますが、温めることで血流がよくなり、コリや内出血といった滞りが改善するという作用もあります。 内出血や打ち身などは、受傷直後は、腫れや熱感をひかせるために冷やしますが、その後に知熱灸をすると、内出血のあとが比較的早く消えます。 また、からだの冷えやすい方は、局所の冷えをとるだけでなく、めぐりが良くなることで、自分でからだを温められるように働きかける作用もあります。
その他にも、温かくなったかな?どうかな?とお灸をしている場所に意識を向けることもとても大事です。普段でも、意識せず動いていると、からだのどこかをぶつけてしまうことってありますよね?でも、例えば、狭いところを通るとき、からだをぶつけないように意識しながら通るとぶつけずにすみます。そういったように、意識を向けることで、ダメージを防ぐという作用も働くのではないでしょうか。
お灸に使うもぐさの原料は、よもぎの葉っぱの裏側についている綿毛の部分です。よく乾燥させたよもぎをうすでひき、ふるいにかけ、唐みのと呼ばれる、風力を使った装置で不純物を取り除いて作られるので、とても手間暇のかかる作業です。近年、環境の変化に伴い、良質のもぐさが採れにくくなったり、後継者問題でいいもぐさが手に入り辛くなっているのはとても残念なことです。
もりのくにでは、新潟で作られている禄(ろく)もぐさを使っています。このもぐさは、他の知熱灸に使うもぐさに比べて、香りや触り心地もいいので、もぐさを丸めているときにも心地よさが感じられます。温かさも他のもぐさに比べてほんわりと感じられます。
是非、お試しいただきたい心地よさです!