そろそろ桜も満開が近く、今週末はお花見にぴったりですが、コロナウイルスの影響で不要不急の外出は控えるよう勧告が出されたこともあり、お花見などと浮かれた気分にはなれない今日この頃。
お天気も味方しているのか?日曜日には冷たい雨が降るようなので、家にこもるにはぴったりかもしれません。こういうときは、時間のかかる煮込み料理やジャムづくり、編み物などの手芸をするのもいいもしれません。
テレビをつけるとコロナの話題ばかりで、気が滅入るとおっしゃる方も多くいらっしゃいます。確かに、事実ではありますが、連日のように不安をあおるニュースばかりなので、穏やかな気持ちを保てなくなるのも分かります。
また、そういった不安感が強いので、今は簡単に洗脳されてしまう危険もあります。トイレットペーパーのときもそうでしたが、今回、週末の自粛要請の後、スーパーから米、カップ麺や冷凍食品などが買い占められ、品薄になっているのを見ると、誰かが何かを大量に買っていたり、何かが足りなくなるというデマやコロナにこれが効くというデマが流れると、みんなが同じものを買い占めるという連鎖が簡単に起きそうで、そちらの方が怖いような気もします。
私たちの便利な暮らし ー上下水道、電気やガスが整備され、スーパーが当たり前のように身近にあり、必要なものは簡単に手に入るという暮らしー は、実はここ50~60年くらいのことで、この便利な暮らしを保つには、やはり無理があるのかもしれません。
昨今の台風や地震の影響もあり、当たり前の便利な暮らしが当たり前でなくなるといったこともしばしば起こっています。いきなり自給自足も無理ですが、あまり不安感に煽られずに、冷静に自分の生活について見直すいい機会かもしれません。
ところで、3月もそろそろおしまいですが、先日、ラジオから、”Águas de Março(邦題:3月の雨、3月の水、2つの訳があります)” が流れてきました。ボサノバの名曲で、ちょうど春先の今くらいの時期にぴったりな曲です。そのとき、ボサノバ発祥の地、ブラジルは南半球なので、3月は夏から秋に変わる雨季に当たる時期と解説されていました。だんだん暖かくなり、雪解け水が流れるようなイメージがわく曲だったので意外でした。
歌詞は、色んな名詞の羅列で、具体的な出来事や季節などは出てきません。ぱっと聞いただけでは意味もあまりよく分かりませんが(そもそもポルトガル語なので、何を言っているか分かりませんが…)、頻繁に出てくるフレーズ、” É a promessa de vida no teu coração ” は印象的に耳に残ります。直訳すると “あなたの心のなかにある人生の約束” ということですが、小野リサさんのCD ”The music of Antonio Carlos Jobin” の歌詞カードでは、”あなたの心の人生の誓い” と訳されていました。”de vida” は “命” とも訳せるので、”心のなかにある命の約束” という意味にもとれるかなとも思えます。いずれにせよ、夏に生まれた恋が秋を迎えるにあたって、人生を誓ったり、新しい命として実を結ぶとも解釈できるので、それはそれで素敵なイメージだなと勝手に思いました。歌詞について気になる方は、ネットに沢山出ているので、調べてみてください。
その後、ネットで色々見ていたら、北半球への売り込み用に北半球の季節をイメージしてできた曲と書いている人もいました。冬から春でも、夏から秋でも、いずれにせよ、素敵なイメージの湧く曲だなと思いました。
コロナウイルス騒動で気持ちが落ち着かないときには、家でボサノバをきくのもいいかもしれません。ブラジルの貧しい人たちは密集して生活しているので、家で大きな音を奏でると苦情がきてしまうため、静かに曲を奏でるようにしていたことから、ボサノバが生まれた、という話を以前聞いたことがあります。そのくらい穏やかな曲が多いので、退屈になってしまう方もいるかもしれませんが、心地よく感じる方は、気持ちを静めるのにぴったりかもしれません。